2018/01/22Birdy Decanter Laboratory
1月のワイン / 02. ロロリノス カルメネーレ グラン・レゼルヴァ

Birdy Decanter Laboratoryでは、季節をテーマに毎月2本ずつワインをピックアップ。Birdyデキャンタによる「時短デキャンタージュ」で楽しめる変化を、ワインライターの西田恵さんにレポートしていただきます。

 

 

みなさま、2018年をいかがお過ごしですか? 新しい年が始まった1月は、ぜひ新しいワインにチャレンジしてみてください。ひとつは南アフリカのワイン、もうひとつはカルメネーレという品種のワイン。日本では出会う機会の少ないワインたちですが、その実力は世界が認めるところ。ぜひBirdyデキャンタで未知なる魅力を引き出して楽しんでみてください。

 

■ 1月のワイン vol.2 赤ワイン

赤ワイン
Lololinos
ロロリノス
Carmenere Gran Reserva
カルメネーレ グラン・レゼルヴァ
産地:チリ コルチャグア
ぶどう品種:カルメネーレ

 

 

日本にいちばん多く輸入されている国はどこだと思いますか? 答えはチリ!3年前まではフランスでした。1970年代に始まった第一次ワインブームの時代からフランスは不動の一位を守っていたのですが、3年前にまさかの下剋上が。2000年前後に起こった“チリカベ(チリのカベルネ・ソーヴィニヨン)・ブーム”で有名になったチリワインは、一時期のブームに終わることなく着々と足場を固め、ついに一位の座をフランスから奪取したのです。チリワインの魅力は、なんといっても“手ごろな価格ながら品質が高い“こと。1990年に軍事政権が終わり民主化がはじまると、もともと良質なワインを造っていたワイナリーは海外から設備や技術を導入してさらに高品質なワイン造りを。また、ワイン産地としてすぐれたポテンシャルを持つチリにはフランスやスペインなどから多くのワイナリーが進出し、母国での高い技術を生かして高品質なワインを生み出すようになったのです。

 

つい最近までチリで注目されてきたのは、上記のような大手ワイナリーが手掛けた“安くておいしいワイン”、もしくは、“入手困難なプレミアムワイン”だけでした。たとえばフランスのブルゴーニュのような、農民が自分のブドウだけでワインを造るワイナリーはごくわずか。チリは栽培面積あたりのワイナリー数が世界一少ない国なのです。貧しい時代を生き抜いた農民は、自分でワインを造りたくても機材を買う余裕がなく、大手ワイナリーにブドウを売るしかなかったからです。けれど最近になって、農家の若い世代などが独立した小さなワイナリーも増えてきました。政府も積極的に資金援助を行うように。今回のワイナリーもそのひとつ。ワインを造り始めたばかりの農家で、チリならではの品種カルメネーレを使っています。カベルネ・ソーヴィニヨンなどの有名品種を使えば売れ行きもよいのに、あえてチリならではの品種で勝負するあたりに農家のプライドを感じます。ラベルのように牛を使って畑を耕しているそう。日本にはまだ輸入されていません。

 

■ カルメネーレって?

カルメネーレのふるさとはフランス・ボルドー。19世紀半ばにカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロなどと一緒にチリに持ち込まれました。実はこのとき、カルメネーレはメルロと混同されてしまい、チリではメルロとして一緒に栽培されてきました。葉の色もブドウの形も熟成時期も異なるこのブドウを、現地の一部の人は「メルロ・タルディヴ(遅く熟すメルロ)」と呼んでいたそう。さすがにおかしいと思った農学教授が1994年にフランスから学者を呼んで調べて初めて、これはメルロではなくカルメネーレだと判明しました。カルメネーレはボルドーでは18世紀まで主要品種として使われていましたが、熟成が遅いため栽培がむずかしく今はほとんど生産されていません。温暖なチリのほうが栽培に適していたのでしょう。

 

<Birdy デキャンタによる飲み比べ>

<用語解説>
そのまま:ワインボトルからそのままグラスへ注ぐ
ゆっくり添わせる:ワインをBirdyデキャンタに注いだら、少し斜めに傾けて内側をゆっくりなぞるように一周する。
ちょい回し:ワインをBirdyデキャンタに注いだら、そうっと(←ココ大事!)1、2回、回す。

 

そのまま:プラムエキスやカシスシロップ、バタースカッチ、スミレの砂糖漬けのような、濃厚な香りと味わい。 完熟した果実の風味が口いっぱいいにふわっと広がる、むっちり官能的なボディのワイン。

 

ゆっくり添わせる:香り、味わいともに、重厚感がやわらぎ、華やかになってきました。プラムエキスから熟したフレッシュなプラムへ。スミレの香りや風味も加わってきました。

 

ちょい回し:香り、味わいともにプラムからスミレへ。むっちりボディもルーベンスからルノワールへ。透明感が備わりました。ここちよい酸味もキレイに調和しています。

 

 

■ ワインライター西田恵のひとこと

ッチでパワフルな「そのまま」は、カスレやベッコフなど冬ならではの重厚感ある料理にぴったり。フローラルな「ちょい回し」は赤身のステーキやパエリアなどにおススメ。個人的にはエレガントな「ゆっくり添わせた」ワインを豆乳鍋や白菜とベーコンのミルフィーユ鍋と楽しみたい!

 

ワイン輸入元:日本未入荷 

 

そのまま、ゆっくり添わせる、ちょい回し、グルグル回し? いろいろと試して、ご自身のお気に入りをぜひ探してみてくださいね!

Text : Megumi Nishida

 

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